ぼやき

Appleは神様か?ソシャゲ開発8年やって思うこと。独禁法違反の可能性 優越的地位の濫用

投稿日:2020-05-30 更新日:

結論

  • 2012/05に年収が高かったのでソシャゲ業界に転職、サーバーサイドのエンジニアとして働いてきました。ソシャゲどころかゲームを全くしない私ですが。
  • 8年間を振り返ってみると「①Apple審査②Apple売上レポート③AppleTier改定」で、iPhoneは好きだがAppleは嫌いになった。30%の場代はぼったくりだと思うが、ソシャゲ会社にとってAppleは神様だ!もちろんGoogleも神様だ!このプラットフォームがあるから成立している。
  • ①Apple審査」:Appleは事前審査があり審査通過しないとApp Storeに公開されない。現在は改善されているが、Apple審査が長すぎる問題があった。これにより凄く振り回された!もう1つ、審査の結果リジェクトされる問題。審査担当者によっての緩急がある。App Store Reviewガイドラインが変わっていないにもかかわらず、今までOKだったものがNGとなるケースさえある!
  • ②Apple売上レポート」:Appleからディベロッパーへ提供される売上レポートは、"アプリ×SKU(課金アイテムID)×決済通貨"単位での合計となっている。注文番号単位では一切開示されていない。これにより、どの注文が返金されたのか分からない。返金処理はディベロッパーが行うことができず、Appleの判断で返金処理が行われている。これに対してGoogleは、売上レポートが注文番号単位となっていて、どの注文番号がキャンセルされたのかも把握できる、返金処理もデベロッパーが管理画面から行うことができる。Googleを見習ってほしい。
  • ③AppleTier改定」:為替相場や消費税増税に応じて、Apple Tierは改定される。タイミングはApple様次第何時に変更されるかは分からない。これによって改定後の価格で改定前の商品を購入するということが生じる。価格は都度Appleから取得して表示しているが、商品内容は自社サーバーで管理しているからである。頼むからUPDATE方式ではなくINSERT方式に変えてくれ!改定後のTierで新たにSKUを発行して、改定前のTierが設定されているSKUは購入できないようにすれば良いだけなのではないか?と思う。

第四次産業革命に向けた横断的制度研究会報告書

経済産業省が公表した「第四次産業革命に向けた横断的制度研究会報告書」(2016/09/15)において、寡占市場にあるデジタルプラットフォームの取引の事例として以下のように挙げている。5点目において、Googleはディベロッパー向けにVoided Purchases APIを提供開始し、どの注文番号が返金されたのかをディベロッパーが売上レポート反映を待たずして把握できるようになった。これに対してAppleは、何も改善されていない

■ストア事業者は、自らを経由しない決済手段を原則禁止するとともに、経由するたびに売上の30%程度の手数料を徴収。
■一部のストアでは、提供者は、ストア事業者が示す表の中から価格を選ばざるを得ず、自由な価格設定ができない。
(例)120円、240円、360円・・・という単位でしか設定できない。
■ストア事業者が共通通貨を禁止しているため、ユーザーは余った分を他のアプリで使用できない。
(例)A社のアプリaの利用を止めても、余ったコインは同社のアプリbでは使えない。
■一部のストア事業者が競合アプリを制限し、競争を排除(ユーザーも不便に)。
(例)ストア事業者B社の音楽アプリではアプリ内で楽曲購入できるが、(B社による制限のため)C社・D社の音楽アプリではできない。
■ストア事業者は提供者に代わって返金可能な契約になっているが、返金の際に理由・相手・金額等の情報が提供者に伝えられないため、適切な対応ができない。
(例)提供者にクレーム内容が伝わらないため、アプリの品質改善につながらない。相手が不明なため、別途要求があれば提供者からも二重に返金せざるを得ない。
■ストア事業者のアプリ審査基準が不透明で、予測や修正対応が困難。
■ストアを用いずwebで検索しても、ストアのアプリが上位に表示される。

https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/daiyoji_sangyo_chizai/pdf/001_s01_00.pdf

Google Play払い戻しポリシー

2015/8時点でGoogleはディベロッパーとの契約書に基づいてディベロッパーの同意を得ずに返金処理を行っていた。Google Play サポート0120-950-065に電話をして伺った内容であり、検証すると容易に返金される実態だと確認することができた。いちユーザーとしてGoogle Playの画面から返金リクエストを行うと、数秒で以下のようなメールが届き返金された。

From: googleplay-support@google.com
件名: Google Play サポートより返金完了のお知らせ

お客様

ご連絡いただきありがとうございます。『※※※※※(※※※※※)』に関する払い戻しのリクエストを受領いたしました。検討いたしました結果、次の金額を払い戻しいたします。

払い戻し額: ¥※※※

払い戻しは、ご購入時に使用されたお支払い方法に準じて自動的に行われます。今回の取引でどのお支払い方法を利用されたかを確認される場合、また払い戻し状況を確認される場合は、https://wallet.google.com/manage/#receipt:id=※※※をご覧ください。

お客様のアカウントに今回の払い戻しが反映されるまでには、最長で14営業日かかりますことをご了承ください。

このメールは自動送信されたものです。今回のご注文またはこのメールに関して他にもご不明な点などがありましたら、下記のページにあるお問い合わせフォームからご質問やご要望をお送りください。

support.google.com/play/bin/request.py?contact_type=contact_policy&policy=apps

今後ともよろしくお願い申し上げます。

Google サポート チーム

当時の「Google Play ヘルプ(ユーザー向け)」「Google Play デベロッパー販売 / 配布契約書」は以下のように記載されていたが、実態としては「Google Play デベロッパー販売 / 配布契約書」に基づき運用されていた。ユーザーがGoogleに返金リクエストをして受理されたとしても、不正な返金(=役務提供済みと確認できる注文に対する返金)をディベロッパーは検知することが可能。注文番号からユーザーを特定して警告・アカウントBANすることができる。これに対してAppleは注文番号単位でのレポートが存在しないのでユーザーを特定することができず野放しとなっているのが現状である。

払い戻しおよび購入
アプリ内購入は、次の点で Google Play での他のアプリの購入と異なります。
・アプリ内購入は有料アプリの購入とは異なり、2 時間の試用期間が設けられていません。
・払い戻しが認められるかどうかはデベロッパーの判断によります。
・アプリ内購入の配信はデベロッパーの責任となります。

Google Play ヘルプ>アプリ内アイテムを購入する

3.7 払い戻しの権限: 購入者が購入後 48 時間以内のいかなる時点でも払い戻しを要求した場合、デベロッパーは、Google がデベロッパーに代わって対象製品またはアプリ内取引の価格を購入者に全額払い戻すことを許可するものとします。それ以外の点については、支払い処理業者 の払い戻しに関する標準の規約が適用されます。対象製品の購入に対して以前に課された税金は、ユーザーへの払い戻しから除外される場合があります。1 人のユーザーから複数の異議申し立てを起こされた場合を除き、10 ドル未満で販売された対象製品の請求に関する異議申し立てについては、支払い処理業者が請求する手数料を加え、自動的にデベロッパーに請求される場合があ ります。ただし、Google が独自の裁量で、異議申し立てを起こしたユーザーに尋常でない数の異議申し立て履歴があると判断した場合は除きます。10 ドル以上で販売された対象製品についてのチャージバックは、支払い処理業者の標準ポリシーに従って処理されます。

Google Play デベロッパー販売 / 配布契約書 最終更新日: 2015 年 5 月 5 日

現時点では以下のように契約書は更新されている。勝手に返金される状態は続いている。「課金したのにアイテム付与されなかったから返金しろ!」とユーザーから問い合わせがあった場合、アイテム付与状況を確認できるのはディベロッパーであり、プラットフォーム側にはできないことだ。なぜならアイテム付与履歴はディベロッパーが持っている情報だからだ。にも関わらず、返金リクエストをプラットフォームが受理するのは。。優越的地位の濫用ではないか。

3.8 デベロッパーは、Google がこちらに掲載している Google Play の払い戻しポリシーまたはデベロッパーに提示された地域別バージョンに従ってユーザーに払い戻しを行うことを許可し、Google がこれらの払い戻しの金額をデベロッパーへの支払いから差し引くことに同意します。それ以外の点については、支払い処理業者の払い戻しに関する標準の規約が適用されます。対象製品の購入に対して以前に課された税金は、ユーザーへの払い戻しから除外される場合があります。

Google Play デベロッパー販売 / 配布契約 2019 年 11 月 5 日発効

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